近年、中古マンション価格の上昇が続き、特に首都圏では新築価格の高騰を背景に中古市場の需要が高まっています。
こうした中で、築年数が経過した物件でも「リノベーションによる資産価値の向上」が注目され、売却を見据えたリノベーションのご相談もいただいています。
本記事では、最新の市場動向を踏まえ、売却や賃貸時の競争力を高めるためのリノベーション戦略と、その具体的な施工事例をご紹介します。
目次
1.データで見る不動産市場:マンション価格高騰が続く
日本の不動産市場の動向を理解する上で重要な指標の一つが「不動産価格指数」です。
上のグラフは、全国の住宅を対象に、2008年から2025年初頭にかけての価格変動を示したもので、2010年の平均価格を100として、現在の価格水準がどの程度かを表しています。
参照:「中古マンション価格指数の推移」国土交通省「不動産価格指数」より作成
グラフから読み取れる最大の特徴
- 緑色で示されたマンション価格の著しい上昇です。特に2013年頃から上昇カーブが急になり、2025年には指数が210を超えるなど、この10年あまりで価格が2倍以上に高騰していることが分かります。
- 一方で、黄色い線の「住宅地」や青い線の「戸建住宅」は、比較的安定して推移しています。2021年頃から緩やかな上昇傾向は見られるものの、マンションのような急激な価格変動はありません。
- 市場全体を示す赤い線の「住宅総合」指数も上昇傾向にありますが、これは主にマンション価格の高騰が全体を牽引している構図を示唆しています。
このように、同じ「不動産」というカテゴリーの中でも、マンションとその他(戸建、土地)とでは価格のトレンドが大きく二極化しているのが現状です。この背景には、都心部への需要集中、建築費の上昇、低金利政策など、様々な要因が考えられます。
このような状況の中で注目されているのが、「売却を見据えたリノベーション」です。中古マンションの購入需要が高い今だからこそ、物件をただ保有するだけでなく、リノベーションを通じて資産価値を最大化することが重要です。
2.なぜ「売却を見据えたリノベーション」がおすすめなのか
- リノベーション投資の回収余力が高まっている:価格上昇トレンドの中では、売却時にリノベーション費用を上乗せして回収できる見込みが大きくなっています。
- レントロールの改善による売却価格アップ:中古物件の在庫数が減少し、買い手が慎重に物件を選ぶ中で、リノベーションによって「選ばれる理由」を作ることができます。
- 景気変動へのリスクヘッジ:金利上昇や市場調整の可能性はあるものの、設備交換を行い、付加価値をプラスすることで空室リスクを解消し、資産としての安定性維持につながります。
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3.成功させる4つのポイント
① 入居募集時に懸念されやすいポイントの改善を優先する
「入居募集時の懸念」を払拭させることも重要です。 例えば、築年数が古い物件でも、水回り(浴室・トイレ・キッチン)を中心とした更新を行うことで、印象が大きく変わります。
- 衛生面の観点から懸念されやすい3点ユニットバスを分離、またはシャワーブースに変更して現代ニーズに対応
- 冷蔵庫置き場を確保するなど、キッチンの使いやすさを向上
- 建具を減らしたオープンクローゼットなどで収納力を確保しつつ空間を広く見せる工夫
- 入居者目線を取り入れ、生活動線を意識した間取りに変更することで居住性をアップ
これらのリノベーションは「売却市場で評価されやすい」だけでなく、空室リスクを回避するためにも有効です。
② 内装デザインは「普遍性 × 差別化」を両立させる
過度なデザインの内装ではなく、買主(個人・法人問わず)が受け入れやすい配色・素材感をベースにすることが重要です。 その上で、ポイントとなる部分に差別化を施すと、印象を残しやすくなります。
- 素材感のある床材や建具で落ち着いた空間を演出
- 収納やワークスペースなど、日常の使いやすさを意識した工夫で付加価値をプラス
- 物件のグレードに合わせた照明計画や設備仕様でワンランク上の印象に
「普遍性 × 差別化」のバランスを取ることで、内見時の第一印象を最大化し、売却・賃貸どちらの市場でも評価される空間を作れます。
③ コスト管理と投資利益率の可視化
改修費用と想定売却価格の上昇幅を明確に設定し、投資利益率をシミュレーションすることで、戦略的な意思決定が可能です。
- 小規模改善で賃料アップ・短期回収を狙う
- 大規模改修で高付加価値化・長期的資産形成を狙う
市場動向や出口戦略に応じて、この2軸を柔軟に使い分けることがおすすめです。
④賃貸アップを意識した戦略的リノベーション
- 浴室乾燥機や食洗機など、入居者が対価を払う価値のある設備
- そして採光や動線の良さといった居住性の向上
などは、将来的な空室リスクの回避にも直結します。
グッドルームでは無垢床を使用した賃貸リノベーションブランド「TOMOS」を展開しており、設備交換のみならず、物件に独自の付加価値をプラスするリノベーションを行っています。
TOMOSリノベーションでは、施工費の算出とあわせて想定賃料の査定が可能です。物件購入前からご相談いただくことで、売却を見据えた具体的な収支改善の見込みを立てやすいとご好評をいただいております。
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4.グッドルームによるリノベーション事例のご紹介
【事例①】駅徒歩20分の物件で賃料を下げているものの入居付に苦戦。リノベーションして賃料7.5万円→13.2万円にアップ!
《リノベーションご依頼の背景》
- 駅から徒歩20分以上の立地で入居付けに苦戦している
- 設備も古くなり入居者が決まらず、家賃収入が減る一方
- リノベーションするからには投資金額に見合った家賃アップ率を実現したい
《リノベーション内容》
- 4LDKから2LDKへ間取り変更を行い、元々の広い平米数を活かした広々リビングへリノベーション
- 居室では日当たりの良さを活かし、造作デスク付きのワークスペースへ
- 高価格帯物件に相当する設備グレードをご提案し、駅徒歩20分以上でも選ばれるお部屋となった
入居者募集もグッドルームにてセットで行った結果、賃料5.7万円アップで工事中に入居者申込に成功!その後、建物の転売による収益化にも成功。
《ギャラリー》
《間取り》
\【法人オーナー様向け】高利回りを実現の物件を多数ご紹介/
【事例②】結露やカビが目立つ半地下のお部屋。リノベーションして賃料5.3万円→7.2万円にアップ!
《リノベーションご依頼の背景》
- 築古物件を購入し、リノベーションして高値で売却できるようにしたいとお考えの法人オーナー様
- 半地下で結露やカビが目立ち、設備も古くなっていたためフルリノベーションが必要な状態
- 過去にもリノベーションのご依頼を頂いており、リーシングの実績を評価いただいていました
《リノベーション内容》
- 結露やカビが目立つため、断熱素材を入れて機能性を高める
- 隣の建物と密接していることから暗い雰囲気だったため、あえて窓に半透明のフィルムを貼り景観を隠す
窓際にワークスペースを設けて内装の差別化を図った結果、賃料1.9万円アップで入居申込みを獲得!
《ギャラリー》
《間取り》
\【法人オーナー様向け】高利回りを実現の物件を多数ご紹介/
【事例③】目標の売却価格で再販!好立地の分譲マンションを購入し、高値で売却できるよう設備をグレードアップ
《リノベーションご依頼の背景》
- 好立地の分譲マンションを購入し、リノベーションによる価値向上で再販利益の最大化を目指されている法人オーナー様
- 60㎡を超える物件のため、ターゲットはファミリー層に設定。再販時の利益を最大化するため、設備のグレードアップが欠かせないとのお考え
- 相見積もりも取られていた中で、グッドルームの施工費用に対して完成後のクオリティが高い点をご評価いただき、ご依頼につながりました。
《リノベーション内容》
- 間取り変更を行い、お子様を見守りやすい開放的なリビングダイニングを実現
- 2つの寝室の間を3枚引き戸で仕切り、広々とした空間としても、プライベート空間としても使用できる仕様へ
- キッチンや水回り設備を大幅にグレードアップし、重厚感のある床材を採用することで、売却時の競争力を高めました
結果、目標としていた売却価格での売却に成功!
《ギャラリー》
▼廊下だったところにアーチ開口のウォークインクローゼットを新設し、差別化ポイントにしました。
《間取り》
5.まとめ:価格高騰期だからこそ「出口」を明確にしたリノベーションを
首都圏・全国ともに中古マンション価格は長期的に上昇トレンドにあり、特に都心・駅近物件は高値で取引されています。オーナー様にとって、売却を見据えたリノベーションを行うことは、資産価値を最大化し、出口戦略を強化するための有効な手段といえます。
築年数が経過した物件でも、内装や設備を刷新し、現代のニーズに合わせた空間へアップデートすることで、売却時の評価を大きく変えることが可能です。
グッドルームでは、物件購入前のご相談も無料で受け付けています。リノベーションをご検討の際には、ぜひご相談ください。