グッドルームでは、賃貸リノベーションブランド「TOMOS」を展開しています。最近は、社宅や社員寮などの大型物件を所有する企業の人事・総務担当者から、廃止した社宅・社員寮の活用方法について、ご相談を受けることが増えてきました。
社宅や社員寮はどのような活用ができるのでしょうか
グッドルームオリジナルキャラクターである「ウッチ」、「ミッケ」とともに解説していきます。
このコラムでわかること
- 社宅・社員寮とは、借上社宅との違いとは?
- 社宅・社員寮は減少しているのか
- 廃止した際の活用方法とは
- 実際の活用事例2選
ウッチとミッケのプロフィール
今日は社宅・社員寮について解説します!
企業の福利厚生制度の中で社宅や社員寮という言葉を聞くけど、そもそも社宅と社員寮って何が違うのでしょうか?
実は、社宅と社員寮に明確な定義はありません。
ただ、一般的には家族寮を社宅、共用スペースがあるような独身寮を社員寮と呼ぶことが多いようです!
なるほど!じゃあ最近よく聞く『借上げ社宅』とは何のことですか?
『借上げ社宅』とは、会社が社員の代わりに一般的な物件を借りて、福利厚生として社員に低価格で提供することを言います。
会社が保有する社員寮だと同じ会社の社員が同じサイクルで同じ場所に住むといったイメージですが、借上げ社宅であれば一般的な賃貸物件に住むこともできます!
会社からすれば、社員寮を保有するよりも借上げ社宅で必要な分だけ借りる方が固定費用が安くなります。
実際に入居する社員からすれば、社員寮よりも幅広い立地・設備の物件に住むことができる可能性があります。
会社によっては、社員自身で物件を選べることも!会社にも社員にもメリットがあるからこそ、一般的に普及している制度となるのですね。
じゃあ、昔ながらの同じ会社の社員が同じところに住む社宅や社員寮は減ったのでしょうか?
そうですね。1990年代以降年々減少してます。
実際、国土交通省の法人土地・建物基本調査によると、法人が所有する土地のうち、面積としては約30%が宅地などの目的として所有されており、その「宅地など」のうちのさらに約5%が「社宅・従業員宿舎」として使用されています。
法人が所有する土地の種類別 土地所有面積の割合
「宅地など」の土地のうち、建物敷地の利用現況割合
参照元:国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」(2019年9月30日)をもとに、グラフを当社にて作成
その「社宅・従業員宿舎」として法人が所有する物件の件数は、1993年以降、下記のグラフの通り年数とともに減少してますね。物件数でみると、1993年時点では約14万件だったものの2018年には約7万件となり、約51%の減少となります。
これは、全国規模で社宅/社員寮のニーズが減少しているためだと思われます。
1990年代、人員配置の流動性を上げるため、企業では福利厚生の一環として社宅/寮を積極的に整備し、自社で保有する社宅が増えたものの、
「借上げ社宅」制度により自社で保有する必要がなくなったことが考えられます。
特に、近年ではコロナの影響で場所に縛られずに仕事ができる環境の増加や、職住近接という言葉に代表されるような働き方の増加によって、より「自由な住まい・働き方」を求められているようです。
「宅地など」の土地のうち「社宅・従業員宿舎」の件数
参照元:国土交通省「平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計結果の概要」(2019年9月30日)をもとに、グラフを当社にて作成
なるほど!勉強になりますね!
ところで、グッドルームでは最近、1980~2000年代に建てられた社宅・社員寮について、
リノベーションの相談が増えているみたいです!
社員寮としての役目を終えた物件や土地はどうするべきなんでしょうか?
方向性としては、大きく3つに分けられます。
①売却する
②建て壊して用途の異なる物件を新築する
③既存の物件を活かして、一般賃貸住宅、シェアハウス、コリビング施設、学生寮などにコンバージョンをする
①の場合は、売却しても利益が出る立地や規模であれば一番メジャーな方法です。
多く手放されているからこそ、前述のグラフのように法人が保有する「社宅・従業員宿舎」が25年で半減しているのですね。
②は売却しても利益が出ない場合や資産として保有する方が会計上都合の良い場合のうち、建て替えをすることで収益性があがる際に選択されることが多いです。
③は、売却しても利益が出ず、建て替えをしたとしても収益が上がらない場合や、元々の建物の状態が良い場合に選択されます。
近年だと建築費が大幅に高騰しており、中々建て替えようとしても費用対効果が合わない物件が多く、最近では②よりも③のパターンが増えているようです。
③の場合、居室内に水まわりがある物件は、一般賃貸として運用することができます。
ただ、居室内に水まわりがなく共同浴場タイプの物件の場合、必要な改修を行いながら、シェアハウス、コリビング施設、学生寮などの運営をできる業者に管理・運営を委託することが多いですね。
なるほど!社宅・社員寮を保有する会社は、収益や物件の状況を考えながら適切な方法を選択するんですね
そうですね。遊休化した不動産は税金など所有するだけでもコストがかかり、負担になることも考えられます。
そうならないためにも、社宅・社員寮は時代に合わせた活用方法が必要となるようですね。
グッドルームでも、建て替えをせずに既存の寮を活用した事例があるようです。
今回は2つご紹介します。
①単身向け社宅の活用事例
今回ご紹介する物件は東京都板橋区、東武東上線「ときわ台」駅に位置する元社員寮の物件です。
現オーナー様からグッドルームが借り上げ、リノベーションしてマンスリー物件として運営しております。

【ポイント】
1.水回りなし、用途変更もなしの寄宿舎の1棟リノベ
2.集客ポイントとなるサウナやシェアラウンジを新設し、物件全体の価値を向上
3.間取り変更により、62戸から66戸へ。家具家電付きのホテルライクな仕様で寄宿舎のデメリットを解消
借り上げ、施工のみだけでなく、募集や運用までグッドルームで実施
募集は当社の募集サイト「goodroom サブスくらし」で行っており、月額69,800円から、家具・家電つきのマンスリーマンション、そしてホテルに自由に住み替えが可能なサービスです。
グッドルームでは首都圏を中心に11拠点でレジデンスを運営しており、平均稼働率は90%を超え、多くのユーザー様にご入居頂いております。
今回は初の城北、埼玉エリアへの進出となりました。
入居者は20〜30代がメインとなっており、6割程度が会社員ですが、長期出張や単身赴任で滞在先をお探しの方や、研修中の滞在先として法人様にもご利用頂いております。
②ファミリー向け社宅の活用事例
次にご紹介する物件は東京都立川市、中央線「立川」駅に位置する元社員寮の物件です。2年間空室となっていた3DKのお部屋を時代のニーズに合わせた2LDKのお部屋へと改修しました。 オーナー様が一般賃貸として運用し、同じ築年数の周辺物件よりも高い賃料で成約しております。

【ポイント】
1.外装を含めて1棟リノベーションし、一般住宅として賃貸化
2.和室3部屋の3LDKから、採光性・開放感ばっちりの洋室2LDKに
3.お部屋探しポータルサイト「goodroom」による入居募集で工事中に入居申込みを獲得!
このように、グッドルームでは社宅/社員寮の再生を手掛け、単なるリノベーションに留まらないサービスを展開しております。
社宅・社員寮の活用方法でお困りの際にはぜひご相談ください。